作品そのものをつくるだけでなく、そこに込められた想いや、受け取る人の体験まで形にしたい。中山博志さんは、そんな考えを「モノづくりからコトづくりへ」という言葉で表現します。
木工とレーザー彫刻を掛け合わせながら、独自の作品づくりに取り組む中山さん。今回は、LaserPeckerとの出会いから、地域の記憶を形にした木札制作、そして今後の挑戦までお話を伺いました。
今回お話を伺った方
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中山 博志 様 本業のかたわら、木工・レーザー彫刻・オーダーによるワンオフ品の制作に取り組む。 「モノづくりからコトづくりへ」をコンセプトに、製品そのものだけでなく、 受け取る人がそこから得られる体験や価値、感動、ストーリーまで届ける作品づくりを大切にしている。 現在は、LaserPecker彫刻機を活用したKIFUDA制作をはじめ、 レーザー彫刻機のレクチャーや技術共有にも力を入れている。 |
不安を乗り越え、試行錯誤から生まれた「感動のプロジェクト」
■ 導入のきっかけは「ブランディング」と「一目惚れ」
中山さんがレーザー彫刻機を自身の活動に取り入れた最初の目的は、自身の作品にロゴを入れることでブランディングすることや、モノづくりに必要なテンプレートの作成、そして名入れを行うことでした。
メーカーや機種の選定に悩む中で彼が選んだのが、小型レーザー彫刻機「LaserPecker LP2」でした。高速で彫刻できる機能性に加え、高級家電のような質感と洗練されたデザインに心を奪われたことが購入の決め手となりました。
■ 「使いこなせるか」という不安と、試行錯誤の日々
しかし、購入を決めるまでには不安や迷いもありました。一般的に見て非常に高価であると感じたこと、そして「自分自身で使いこなせるのか」という不安です。
中山さんが導入した2年前は、まだ周りに同じ機械を使用している人も少なく、LaserPeckerの公式YouTubeチャンネルを見ながら彫刻条件を試行錯誤する手探りの日々だったと当時を振り返ります。
現在、中山さんはInstagramのフォロワーからレーザー彫刻機の購入相談を受けることがしばしばありますが、多くの方が当時の自分と同じ心境にいると感じています。
■ 30年の想いが詰まった祭りの木材を、60人の「特別な木札」へ
そんな不安を乗り越えてLP2を使いこなせるようになった頃、中山さんの活動を大きく広げるプロジェクトが立ち上がります。地元のお祭りの山車で30年間使われていた、思い入れのある「樫の木材」を提供してもらう機会があり、お祭り好きのメンバー全員へ向けた特別な木札「NISHIBESSHO Premium KIFUDA」の制作を提案したのです。
中山さんは木の板を手彫りする技術は持っていませんでしたが、自分の構想をカタチにできるLP2のおかげで、60人分の作品を作り上げることができました。このプロジェクトは多くの人に喜ばれ、仕上げの際には持ち主が自分の手でオイルを塗るワークショップも開催し、地域貢献にも繋がりました。
この時の動画は、中山さんのInstagramのヘッダーにピン留めされており、LaserPeckerのパートナーシップ広告として初めて採用された記念すべき作例となっています。
Q&A|中山さんに聞く、レーザー彫刻のコツとおすすめ機種
現在、LP4、LP5、LX2、そして原点であるLP2まで、様々な機種に触れる機会を持つ中山さんに、木工作品づくりにおける実践的なアドバイスを伺いました
Q1: 木工・木札制作において、ズバリ一番おすすめの機種は?
中山さん:「ズバリ『LP2』です!現在は手放してしまいましたが、もう一度手にしたいと思っているほど好きですね。理由は、上位機種を使っていても、木工や木札制作の時は結局LP2で試行錯誤して見出した彫刻条件に寄せることが多いからです。パワー、深さ、スピードが低くても、理想の条件を見出せば綺麗に速く、良いモノづくりができます。手軽に持ち運べてスマホで気軽に彫刻できることこそが、LaserPeckerの持ち味だと思っています。」
Q2: 木材に綺麗に彫刻するためのコツや、ヤニ(焦げ)対策を教えてください。
中山さん:「失敗を防ぐカギは、素材ごとの『最適条件』を見つけることです。具体的なアプローチとして、次のようなポイントがあります。 彫刻前にマスキングテープを貼るだけで、ヤニ汚れは防げます。 『高出力×低スピード』で一気に刻印するよりも、『適切な出力×複数回刻印』にする方が綺麗に仕上がります。 メープルやチェリーなど、もともと焦げが出にくい木材を選ぶのも一つの手です。」
Q3: 今後さらに新しく挑戦してみたいことや、作ってみたい作品の構想はありますか?
中山さん:「木工用テンプレートをさらに高度化させ、複雑な曲面や精密な継手(ジョイント)用のテンプレート制作、そして作業効率を極限まで高める治具(じぐ)のシステム化に挑戦したいです。
また、地域の伝統やストーリーを盛り込んだオリジナルデザインの『木製お守り』の表现力向上や、複数種類の木材を組み合わせたより高級感のあるお守りも作ってみたいですね。さらに、デジタルとアナログを融合させ、手加工では不可能な精密彫刻を施した大型木工作品や、3D要素を取り入れた立体感のある木製インテリアの制作なども構想しています。」
編集後記
趣味の枠を超え、受け取る人の顔を思い浮かべながら「コトづくり」に真摯に向き合う中山さん。本業のサラリーマンとしてお忙しい日々の中で、地域の伝統をお札という形にして未来へ繋いでいくエピソードは、道具を提供する私たちにとっても深く胸を打たれるものでした。
「木の板を手彫りする技術は持っていなかったけれど、自分の構想をカタチにできた」というお言葉通り、LaserPeckerが中山さんの自由なアイデアや挑戦を支える相棒となれていることを、とても嬉しく誇りに思います。これからの新しいお守り作りや大型作品の構想がどのように形になっていくのか、今から楽しみでなりません。



